ミュージカルへのまわり道

ミュージカルへのまわり道

著者石塚克彦  ふるさときゃらばん出版する会 編

定価3,780円(税込)

解説

本書は石塚克彦が劇団ふるさときゃらばんの季刊誌に連載した記事をまとめ直したものである。石塚ミュージカルの背景や、そのバックボーンが形成される幼少期から青年期にいたるエピソードを丁寧に描き、ミュージカル上演に至るまでの道のりを綴っている。突出したスターの存在に頼らず、地道に支持してくれる観客の存在を力に劇団を経営し、各地で故郷づくりに励む人たちと出会い、共にゼロから地方公演を作り上げながら、その町や村で堅気に生きる人びとを励ましながら全国を巡回してきた。これは唯一無二の劇団の生きた証でもある。

 

目次

刊行にあたって 〝地芝居ミュージカル″脚本演出家の私的な呟き

第1幕
石塚ミュージカルの原点とその周辺
わが母校・興野小学校の学芸会
芸との初めて出会い・村上曹長の赤城の子守唄
本物の芸との出会い・山本東次郎の翁の腹芸
わが家を劇場にした旅の芸人
ツバメと田んぼとお婆さん
大人への一歩・十三参り
天王祭の山揚げ地芝居
戦後腹ぺこ時代の出来事
赤い夕陽が校舎をそめる
版画家たちがくれた美の心
奈良のもうひとつの大学
合唱との出会い・二月堂修二会の声明
[回想]
牧内節男(元・スポーツニッポン新聞社社長)
瀬川昌久(演劇評論家)
高平哲郎(脚本・演出家、編集者)
寺本建雄(作曲家・演奏家)

第2幕
身近にいた物怪や妖怪たち
人と獣と物怪が同じ世界にくらしていた
日本の人の身近な妖怪(1)天狗
日本の人の身近な妖怪(2)河童
日本の人の身近な妖怪(3)鬼
[グラビア]
ふるさときゃらばんの世界 英 伸三(写真家)

第3幕
ミュージカル制作現場の顛末
日本芸術家組合で学んだこと
わが師匠・山形雄策からの教え
心に残る三つの名作
カントリーミュージカル事始め
北海道月形町での手痛い体験
「ザ・結婚」の取材でみつけたモノ
狐の物語「桔梗ヶ原の玄蕃之丞」
日米合作ミュージカルへの道(1)企画スタートはノリで
日米合作ミュージカルへの道(2)自由と民主主義の国アメリカ
日米合作ミュージカルへの道(3)アメリカのライスフェスティバル
地域の中に生きている地芝居・飯地歌舞伎
赤城山麓の歌舞伎小屋
旅ゆけば劇場の話
[回想]
木村 隆(演劇評論家)
横溝幸子(演劇評論家)
藤原作弥(演劇評論家)
野口久光(映画・ジャズ・ミュージカル評論家/故人)

第4幕
日本列島をキャラバンすると
日本の原風景・棚田を守れ!
世界は広く驚きがある
[回想]
中島峰広氏(元・棚田学会会長)
篠原 孝(衆議院議員)
古川 康(衆議院議員)
菱山晋一(信越放送取締役)
秋本敏文(公益社団法人日本消防協会会長)
鈴村 昶(元ふるさときゃらばん制作部)
天城美枝(演出家・振付師)

資料1 石塚克彦&劇団ふるさときゃらばん・新生ふるきゃら 年譜
資料2 山形雄策「統一劇場の十四年に想う」
資料3 福田定良「堅気の人々の喜劇-石塚克彦への手紙」
解説 石塚克彦の遺したもの 岸康彦

あとがき